キラキラのスパンコールが夢の象徴だった頃

スパンコール
最近では、普通のショップにスパンコールのドレスが格安で並び、
時代がかわったなぁ・・・と、つくづく思うのです。

しかし・・・舞台衣裳、特に歌劇の衣裳って、ホント、特殊だったよなぁー、
って思います。

自分が関わっている時はそれ程気にしてなかったケド、男装の麗人ヨロシク、
普通では見かけないような、歌劇独特のメイクで、絶対在りえないような
ヒラヒラのテールが付いた、ドレスのような燕尾が当たり前な世界。

いやー、実に華やかなで奇妙で幻想的な愉快な世界でありました、今思えば。

そんな舞台一面輝くようなキラキラ衣裳の成分は、スパンコールです。
今のスパンコールは勿論、プラスチックのような素材にメタルのような素材を
塗布して作られているのですが、ずっと以前、まだ私が生まれる前の時代には
何と、ゼラチンで作られていたようです。

ゼラチンは、あのお料理とかに使われるゼラチンです。

ダンスホールも華やかな時代、スパンコールが一般でなかった時代の事であります。
ダンサー達は終演後、衣裳から剥がれてしまったゼラチンスパンコールを
舞台に這いつくばって皆、負けじと必死で拾い集めるのが常であったと言います。

それ程、スパンコールは高価な貴重品で、とても大切で意味のあるモノだったのです。

また、ゼラチンであるがゆえの悲劇?と申しましょうか(笑)。
楽屋のネズミがかじる!!というのも常であったようです。

ネズミと戦い、争奪戦に勝ち抜いたダンスホールのダンサーは、その一夜の
夢を紡ぐため、そして観客はライトを反射しキラキラと光る非現実的な
時間と空間に、共に夢の世界を観ていたのかもしれないな・・・と、思ったり。

ダンサー達にとって、そしてお客様にとっても、スパンコールの衣裳の
キラキラは、夢の具現化、象徴だったのではないかと思います。

今、一片のスパンコールが落ちていたとて、もう誰も拾うこともないでしょう。

かつては夢の一片であったスパンコールも、今では衣裳の装飾の一部、
そこから落ちた瞬間、舞台上では、ただのゴミの一部です。
終演後には大道具さんがさっさとモップで掃きとってしまいます(笑)。

ゼラチンのスパンコールが華やかかりし頃、当然、日本自体に物が少ない時代、
「物を大切にする心」があっての、「夢見る心」に思いを馳せてみました。

そうして、時代を超えた空間を垣間見せて下さる方々に出会う人生があった事に
今は感謝しています。

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