洋服と衣裳の、似てるトコ違うトコ。

衣裳仕立ての洋服と、洋服仕立ての衣裳は
見た目は似ているけど、実は違います。
 
例えば、舞台衣裳、特に貸し衣裳の場合、同じ衣裳を
「色々な人が着る」という事がほとんどです。
 
なので衣裳は、結構、幅広いサイズで直しが可能です。
デザインにもよりますが、男女の体型の差もカバーできるほど
許容範囲が広い衣裳もあります。
 
また、飾りを付け替えたり、袖や襟などのパーツを付け替えたり…
と、同じ土台を使って「カスタマイズ」し、見た目に変化を出して、
「違う衣裳に見せる」ようなこともあります。
 
と、こんな感じで、舞台衣裳は「サイズ直し・カスタマイズありき」
の考え方で、パターンから裁断、縫製の全てが「縫い目をほどく前提」に
少し、独特な手法で作られていたりします。
 
そのため、衣裳に使用する生地も「丈夫な素材」が多いです。
ただこれは、用途や使用方法、状況により変わってはきますが…。
 
逆に、洋服の場合、仕立ての段階でサイズ直しが前提と
なっていないのが、ほとんどです。
特に市販品は、規定サイズ通りに仕上げることが大前提です。
 
もちろん、サイズ直しは可能ですが、それが前提
というわけではないのです。
 
洋服と衣裳の違いはこれだけではありません。
 
例えば、衣裳の場合
「その衣裳により、その役の年齢や性格、生活などを表現する」
(ラフな若いスポーツマンなのか…地味な中年サラリーマンなのか…とか)
「その場面を表現する」
(例えば舞踊で「激しい炎を表す」なら、真っ赤な色の衣裳…とか)
「その役(職業など)を表現する」
(王様なのか、兵士なのか…とか、医者なのか消防士なのか…とか)
「その役(または役者)をより、際立たせる」
(二枚目か、三枚目か…とか、スタイルをよりよく見せる、カバーする)
などなど…。
 
と、こんな感じで、一般に洋服は
「個人の装飾性や好み」といった「自分」という部分で選ぶのが
強いのに対し、
 
衣裳は
「演出効果・表現したい内容から選ぶ」といった「見せる」「伝える」
ための道具、といえるのです。
 
だからその「目的の効果を出す」ために、必要に応じて、この道具は
多種多様に変化させることが前提なのです。
 
他には
「遠目で照明が当たった状態で(舞台の客席から)見て、
映えるデザイン」と
 
「日常光(自然光・電灯など)の下、近くで見てステキなデザイン」
の違い、とか
 
「遠目にステキな柄や質感」と「近くで見てステキな作りや素材感」
…と、細かい部分で様々に違いがあります。
 
とはいえ近年では販売用のDVDやTV放映ありき、な舞台がほとんどなので、
「遠目と近い目」の両方を考慮しなければならない感じではありますが…。
 
ということで、「似て非なる洋服と衣裳」…
そんな衣裳のことの、思い出しついで?に(笑)
 
次回は「お芝居の衣裳」と「ミュージカル・舞踊系の衣裳」の違う部分
もお話ししてみようかな…と思っています。

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